第四話 モリスの森

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「ロランだって……」  まだあどけないロランの顔を思い出す。幼い大きな瞳。それは、恐いくらい純真そのものだった。 「アニエちゃん、ロラン・トレムをずいぶん気に入ってるんだね?」 「そういうのじゃないけど」 「気をつけたほうがいいと思う」 「アヴィンと同じこと言うんだね」 「だって……」  噂をすればなんとやら。そのとき前からアヴィンがやってきた。 「アヴィン、アニエちゃんがロラン・トレムと仲良くしてるって」  アヴィンは怪訝そうに顔をしかめた。 「別に、仲が良いとかじゃないけど」 「関わるなと言ったのに、よっぽど俺の言うことは聞きたくないんだな」  その棘のある言い方にアニエはむっとする。 「話してみると悪い子じゃないから。雨乞いの儀式も否定していたし、ユニコーンやエルフが好きなだけ」 「雨乞いの儀式を否定? ロラン・トレムが?」 「ロランも気分が悪くなったって。あんなの時代遅れだって言ってた」 「ふーん」  アヴィンはいぶかしそうにする。 「まだ幼いし、素直で良い子だよ。アヴィンとは違って」 「なんだって?」  アヴィンが眉をしかめた。
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