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ニーナは声をたてて大笑いした。アヴィンはニーナをにらみつける。
「ねえ、アヴィン。次の集まりはいつなの?」
ニーナが聞いた。
「集まり?」
「あのね……」
「ニーナ。規則を忘れたのか」
「でも、アニエちゃんだよ」
「関係ない。それにお前はもう来なくていいよ」
「いじわる!」
アヴィンはぷいと顔を背ける。
「何の話?」
「お前には関係ない。とにかくロラン・トレムとは関わるな」
アヴィンは吐き捨てるように言うと早足で去っていった。
「何、あれ?」
「やきもちじゃない?」
アニエは顔をしかめてニーナを見る。ニーナは肩をすくめた。
「それで、何の集まりなの?」
「規則だから言えないの。ごめんね」
「何の規則なの?」
「言えないの」
「どうして?」
「規則だから」
「友達でしょう?」
「うーん、それを言うのはずるいんだよ。……あ、私、次の授業の準備しないと!」
ニーナは逃げるように走っていった。廊下を走らないようにと誰かに怒られている。
「何なの、みんな」
一人残されたアニエは一人で憤慨していた。
それからしばらく経ってから、倒れたときのお礼をまだアヴィンに言っていないことに気がついたが、きっと顔を見たらまた忘れてしまうだろうと思った。
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