第五話 怪奇クラブ

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「本当に狼男だったの?」 「確かにそうだったと思う。そんなことありえないと自分でも思うんだけど、やっぱりいくら思い返してみても、やっぱり狼男だったと思う。私を赤い目で見つめてきて、私の方に日本足で歩いてきて……」  アニエは思い出してぶるりと震えた。 「でも、まさかね。獣人は何千年も昔に滅びているし。じゃあ、あれは何だったのかって、ずっと悩んでいるの」 「それなら、招集をかけよう」  ニーナは突然立ち上がって言った。 「招集? 何の?」  ニーナはにやりと笑う。 「もちろん、怪奇クラブの、だよ」  アニエは眉をしかめ、首をかしげた。 「なんでこいつがいるんだ?」  アニエは空き部屋のひとつにいた。  作り物の蜘蛛の巣がハンモックのように天井から下がり、骸骨の標本が窓辺に並んでいる。木棚に置かれたたくさんの鳥かごの中にはフクロウや猫、様々な動物のぬいぐるみが入っていて、ガラス玉の瞳がキラキラと輝いていた。  部屋の真ん中には大きな丸いテーブルがあり、林檎の形をしたランプが置いてある。そして、アニエの目の前には不機嫌な顔でアヴィンが座っていた。
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