第五話 怪奇クラブ

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 ニーナが立ち上がりわざとらしく咳をする。 「えー、今日みんなに集まってもらったのは、アニエちゃんから重大なお話をしてもらうためです」 「部外者は立ち入り禁止だと言っただろう」 「アニエちゃんは部外者じゃないでしょ」 「部外者だろ」 「まあまあ、いいじゃないか。僕も森のお嬢さんの話をゆっくり聞いてみたかったし」  そう言ったのは、入学初日に会ったアラン・リベールだ。彼は金色の髪を優雅にかきあげてにっこりと微笑んだ。 「また会えてうれしいよ」  とウィンクをした。すると棚に置かれた造花の花が咲いた。 「アラン、もう目をつけてたのか?」  とルミル・チェク。 「彼女が入学した日に出会ったんだ。これって、運命なのかもね」 「あんたの運命はずいぶん軽いんだね」  丸メガネをした赤毛の女の子が呆れて言った。 「あたしはレマ・ハンド。よろしくね」  そして彼女は隣に座っていた女の子を差して、 「この子はラーナ・ロダ」  と紹介した。  紫色の長い髪と黒い瞳の少女は長い前髪の下から、にっこりと笑い、 「よろしく……」  と言って、手を差し出した。
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