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その手を取ろうとしたとき、その肩に毒蛇を巻いていることに気がついて、アニエは短い悲鳴をあげた。ラーナがひっひっひと低い笑い声を立てた。
「ラーナ、意地悪をするなよ」
面倒見のいいルミルがため息をつきながら言う。
「大丈夫、この子は大人しいから……私に似て……」
と言って、自分の言葉に笑っていた。
「アニエちゃん、ラーナのことは気にしなくていいよ。変わってるから」
まさかニーナに変わっていると言われる人がいるとは驚きだった。
「それで、これはいったい何なの?」
「ニーナ、説明してないのか?」
「見れば分かるかな、と思って」
「分からないよ。こんな怪しい部屋に集まって」
「じゃあ、帰れよ」
とすかさずアヴィン。
アニエはアヴィンをにらみつける。アヴィンはふんと顔を背けた。
「本当にアヴィンはアニエに冷たいんだね。かわいそうだ。僕が温めて……」
「この集まりは怪奇クラブっていうんだ」
アランを無視してレマが言った。
「一応、奇妙な事件をみんなで考えようってクラブなんだ。この部屋は、ここしか空いてなかったから」
「でも怪奇クラブにぴったりの部屋だと思う」
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