第五話 怪奇クラブ

5/23

17人が本棚に入れています
本棚に追加
/322ページ
「俺はいつも片付けろと言ってるんだ。それなのに、ニーナがいつもゴミを持ってくる」 「ゴミじゃないよ! ママがいらないと言ったものを持ってきてるだけだから!」 「それをゴミと言うんだ」  アヴィンとニーナはにらみ合った。 「……それで、奇妙な事件を考えるってどういうこと?」  アニエはアヴィンたちを横目に尋ねる。 「ヘンリー・ロウの死とか……」  ラーナがささやくように答えた。 「だからお前には関係ないクラブだ」 「アヴィン」  ルミルがたしなめた。 「どうかしてるぞ」 「別に」  アヴィンはいらだっている様子だ。自分が参加しただけでこんなにも露骨に不機嫌になるなんて。アニエは悲しいやら腹が立つやらでぐっと拳を握りしめた。 「それで、アニエはいったい何の話があるんだ?」  レマが場をおさめるように大きな声でアニエに尋ねた。 「そう、そう。アニエちゃんはみんなに聞いてもらいたい話があるんだよ!」  アヴィンを睨みつけていたニーナははっと思い出して立ち上がった。 「なんと、狼男を見たんだって!」  ニーナは興行師のように両手を広げながら言った。
/322ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加