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「俺はいつも片付けろと言ってるんだ。それなのに、ニーナがいつもゴミを持ってくる」
「ゴミじゃないよ! ママがいらないと言ったものを持ってきてるだけだから!」
「それをゴミと言うんだ」
アヴィンとニーナはにらみ合った。
「……それで、奇妙な事件を考えるってどういうこと?」
アニエはアヴィンたちを横目に尋ねる。
「ヘンリー・ロウの死とか……」
ラーナがささやくように答えた。
「だからお前には関係ないクラブだ」
「アヴィン」
ルミルがたしなめた。
「どうかしてるぞ」
「別に」
アヴィンはいらだっている様子だ。自分が参加しただけでこんなにも露骨に不機嫌になるなんて。アニエは悲しいやら腹が立つやらでぐっと拳を握りしめた。
「それで、アニエはいったい何の話があるんだ?」
レマが場をおさめるように大きな声でアニエに尋ねた。
「そう、そう。アニエちゃんはみんなに聞いてもらいたい話があるんだよ!」
アヴィンを睨みつけていたニーナははっと思い出して立ち上がった。
「なんと、狼男を見たんだって!」
ニーナは興行師のように両手を広げながら言った。
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