第五話 怪奇クラブ

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「俺たちはヘンリー・ロウを本当に殺したやつを探してるんだ。牧場主は熊を見たと言ってるし、医者も鋭利な爪痕があったと言ってはいる。けど、赤と黄色の森を探索したけど、やっぱりあそこには木の実熊しかいなかった。しかも、俺たちの姿を見ると恐がって木の上に上るような臆病なやつらばかりだ。魔法使いを襲って殺すなんて考えづらい。でも、狼男だったら」 「本当に狼男がいればの話だ」  アヴィンは言う。 「アヴィンはロラン・トレムを疑ってるからな」 「あんな純粋そうな子が殺人なんて」 「ロラン・トレムを知ってるの?」 「アニエちゃんはロラン・トレムと仲が良いんだよ」 「そうなのか?」  ルミルが驚いてアニエに聞く。 「別に仲が良いわけじゃなくて、図書館でたまに会って話すだけ。エルフ族に興味があるみたいで。森の魔法使いはエルフの血が流れてるって噂があるから」 「たしか彼はエルフ学のハルバ・ルウ博士に師事してるんだったね」 「黄色マントを取得できると、好きな先生に師事することができるんだ」  とルミルが説明した。そう言うルミルは緑マントだ。他にアヴィンとレマ・ハンドも緑で、あとは全員青マントだった。 「へえ、そうなのか。じゃあ、アニエなら……」 「無理だよ」
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