セミバンド。

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セミバンド。

セミバンド 「シャワシャワ、シャワシャワ」 クマゼミのクマさんがクマゼミ独特の鳴き声でイントロリズムを奏でる。クマさんは元々南で暮らしているとっても大きなセミ族である。 バンドのみんなと比べてみても、身長が高く大柄、黒髪黒目によく陽に焼けた肌を持つ。 一見恐そうだがおおらかで優しいみんなのお兄さんである。 そしてそのリズムに合わせてツクツクボーシのツクシがイントロミュージックを奏でる。 「ヨォーシッツクツクホーシッツクツクホーッシッ!ツクツク、ツクツク、ツクツクホーッシ」 そして2人のセミが奏でるイントロミュージック&リズムが盛り上がってきたその時ーー 「ジージージジジジジジー…!!!」 アブラゼミのアニキがジジジギターを構えながら盛大なメロディーを奏で始める。 アブラゼミアニキはツクシによく似ていると言われるが、性格はまるで違い、ワイルド系アニキである。 そんなアブラゼミアニキは、夏にお馴染みの気合いの入った鳴き声メロディーを披露する。 「ジージー、ジージジジッジ、ジジジジジッジ――――――っ!!!」 そのメロディーにバンドのみんなもさらに盛り上がる……っ! 「ジジジジジッジ、ジジジジジッ」 「カナカナカナ、カナカナカナ」 そしてアブラゼミアニキのメロディーに答えるかのように、ヒグラシちゃんのかわいらしい合いの手が響く。 ヒグラシちゃんはアブラゼミアニキとはカップルで、アブラゼミアニキのラブコールを恥ずかしがってるかわいいツンデレちゃん。 アブラゼミやツクツクボーシたち中級のセミよりちょっと小さめである。 目元はよく麦わら帽子で隠しているけれど、アブラゼミアニキ曰く、とってもかわいいらしい顔をしているらしい。 「カナカナカナ、カナカナカナ」 ヒグラシちゃんの合いの手、そしてシャワシャワと言うクマさんのリズムに合わせて、ミンミンゼミのミンミンにいにがスタンバイ。 そしてアブラゼミアニキと並んで夏にお馴染みの鳴き声を奏でる。 「ミーンミンミンミン、ミーンミンミンミンミーーー」 サビの鳴き手を務めるミンミンにいには、緑色の美しい髪に瞳を持つ優しく面倒見のいいみんなのお兄さん。 「シャワシャワ、シャワシャワ」 「カナカナカナ、カナカナカナ」 「ヨォーシッツクツクホーシッツクツクホーッシ」 そしてクマさん、ヒグラシちゃん、ツクシがそのメロディーの後の間奏を務める。 ――――――そして、 「チー~~~~、にー~~~~っ!」 メンバーの中でもとりわけ小さなニイニイゼミのニイニイちゃんがその特徴のある鳴き声でソロパートを奏でる。 ※よくある曲の間奏後にあるイイ感じのトコロ ニイニイちゃんのソロパートの後はーー 「ジージージジジッ」 アブラゼミアニキがメロディーを奏で、 「ジージージジジジジジー」 「ミーンミンミンミンミーンミンミンミンミー」 アブラゼミアニキのメロディーにミンミンにいにのメロディーが重なり、絶妙なコーラスを奏でる。 「ツクツクホーッシヨォーシッツクツクホーシッツクツクホーッシッ」 「シャワシャワ、シャワシャワ」 「カナカナカナ、カナカナカナ」 そして2人のセッションを彩るツクシ、クマさん、ヒグラシちゃんのリズムや合いの手。 「ヨォーシッツクツクホーシッ」 そして、ツクシのシメの鳴き声と共にーー じゃ、じゃーんっ!! みんなでポーズをキメる。 するとライブ会場中から拍手が溢れ、ファンに手を振り返すメンバーたちを、ステージの裏から見守っていたゼンも、パチパチと拍手を送るのだった。 a74e32f6-76eb-47fa-89c4-acbacc5f9c85
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