ミンミンにいにはぼくが守る!

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ミンミンにいにはぼくが守る!

――――――それは、ある日のことでした。 「ち~~~に~~~?」 ミンミンにいにはどこだろう? トコトコトコ……。 ニイニイちゃんがキョロキョロとミンミンにいにを探していれば……、突然……っ! 「あの、放してください!」 ミンミンにいにの声が響いてきました……!しかも、何だか切迫した声!ニイニイちゃんは急いでミンミンにいにの声の元へ走ります……! トタトタトタ……! 「ち~~~に~~~っ!!!」 するとニイニイちゃんちゃんは、ほかのセミに腕を掴まれているミンミンにいにを見つけました! 「ち~~に~~っ!」 ――――――ミンミンにいにから離れて! ミンミンにいにに抱き付くと、精一杯の音量で鳴きます。 「ニイニイちゃん!」 ミンミンにいには、ニイニイちゃんがうるうる、ふるふるしながらも一生懸命守ろうとしてくれることに感動します。 だけどそんな2人に対し、ミンミンにいににさらに強引に迫るセミ……! 「邪魔するなよ……!」 と、怒鳴ってきます。 「ニイニイちゃんには手を出さないで!」 ニイニイちゃんも一緒なのだ!凛として告げるミンミンにいに!でもニイニイちゃんも、ミンミンにいにを守りたい! 「ち~~に~~っ!」 そこでニイニイちゃんはあるものを取り出します。それは一見、セミ型のキーホルダーのようですが……? ニイニイちゃん、そのキーホルダーの下についた取っ手を……引っ張ります! 『ジージージジジジジリジリジリジリジリリリリリリリリ――――――――――っ!!』 「ぎゃっ!?」 突如流れた大音量に、ナンパゼミが慌ててミンミンにいにの腕を放します。 その隙にミンミンちゃんはニイニイちゃんを優しく抱き締め、ナンパゼミと距離をとります……! ニイニイちゃんちゃんもミンミンにいにを守るべく、セミ型ベルを向け続けます! ――――――しかし。 「くそ!そんなもの……っ!」 ナンパセミがニイニイちゃんからセミブザーを奪い取ろうと手を伸ばしてきました……! 「ち~~、に~~!?」 「危ない!!」 ミンミンにいにも慌てて、ニイニイちゃんを庇うため、ナンパゼミの手を振り払います。 「何する!この……っ」 ナンパゼミがさらに2人に迫ろうとしたその時でした。 ずしり…… ずしり…… ずしり…… 「何、してる」 ずしりずしりと近付いてきたその振動に、ナンパゼミは思わず身構えますが、ミンミンにいにとニイニイちゃんはホッと一安心。 それはセミの中でも大きな大きな身体をもつクマゼミのクマさんでした! 腕を組み、ミンミンにいにとニイニイちゃんを守るようにして、仁王立ちでナンパセミの前に立ちはだかります。 「ひいいっ!?」 クマさんのド迫力にナンパセミはよろよろ後退り、パ――――――――ッと逃げていきました。 さっきの威勢のよさが嘘のようでした。 そして、ナンパゼミが去ったあとは……。 「あのセミにナンパされて、腕を掴まれたところを、ニイニイちゃんが守ってくれたの」 ミンミンにいにがクマさんに説明すれば……。 「そうだったのか……!」 クマさんはニイニイちゃんの頭を優しくなでなでなで。身体は大きくても、クマさんはとっても優しいのです。 「ちゃんとミンミンを守れてえらいじゃないか」 「ち~~に~~っ!」 にこにこしながら褒めてくれるクマさんに、ニイニイちゃんが誇らしげに頷きます。 ――――――そして……。 「ち~~に~~っ!」 ミンミンにいにはぼくが守るんだもんっ!キリッと告げるかわいらしいニイニイちゃんに、ミンミンにいにも笑顔でニイニイちゃんをなでなでする。 「助けてくれてありがと。ニイニイちゃんのおかげで恐くなかったよ」 「ち~~に~~っ!」 ミンミンにいにの言葉に、ニイニイちゃんは大満足で頷いたのだった。 因みに、ニイニイちゃんが持っていたセミブザーはアブラゼミアニキの特製防犯セミブザーなのでした。 めでたしめでたし。 ち~~に~~っ! 97c8bc93-3fe9-466b-9257-436f5d626822
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