溺れて堕ちて愛されて…

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「あっ!……はぁ……」 --昼下がりの、京都郊外のラブホテル。 ベッドの上で、背後から抜き差しをして攻め立てる藤次(とうじ)と、彼に弱いところを突かれて擦られ、何度も絶頂と言う甘美な果実を貪る絢音(あやね)。 しかし、どんな食べ物にも満腹があるように、どんなものにも限界というものがある。 「(もうダメ…次イッたら死んじゃう…)」 悶えながら、一度彼のモノを引き抜こうと腰の動きを変えようと動いた時だった。 「!?」 クンと、藤次が絢音の上に覆い被さり、シーツを握る手を握りしめて、紅潮した耳元で囁く。 「逃げるなよ。さっさとイケ。」 「とう……んっ!!」 頭だけ振り返った瞬間唇を奪われ、藤次は自身を根本まで挿入して、絢音の最奥を舐めるように口は舌、(なか)は先端で擦る。 「……ッ!………ッ!!!」 ふるふると身体が揺れたかと思うと、絢音は脱力しベッドに助けを乞うように腕の力を解いたが、藤次に身体を持ち上げられ、更に膣内(なか)を攻められ、獣のように咆哮を上げる。 「…エエ声や。漸く理性飛ばしたな?こっからが本番や。愛してる…俺の絢音…」 --そうして乱して、狂わせて、気を遣った絢音をベッドに残して、藤次はガウンを羽織りシャワーを浴びに行く。 「ーーッ!!」 シャワーが背中に当たると、絢音の付けた引っ掻き傷が沁みて、藤次は顔を歪める。が、 「…これぞ正しく、心底惚れた女に骨抜きにされた、不名誉な後傷…やな。」 ハッと自嘲気味に嗤って身体を洗いベッドに戻ると、絢音が虚な顔で見上げてくる。 「なんや?俺の可愛い絢音。」 髪の毛を梳くようにして頭を撫でてやると、彼女の口が小さく動く。 「逃げるななんて言葉、卑怯よ。そんな事言われたら、溺れて堕ちていくしかないじゃない…」 その言葉に、藤次は満足そうにまた嗤う。 「もっと堕ちて来や。女神が俺の愛で堕天使になるの、楽しみにしとくわ。」 「バカ…」 そうして力無く振り上げられた拳を容易く受け止めて、藤次は絢音を抱きしめる。 「バカで結構。そやし、先に俺を狂わせたんはお前なんやから、おあいこや。精々己の美貌を呪うとええわ。ほな、しよか。」 「えっ?!だって時間!!」 「延長戦。逃げようとしたお仕置きや。」 「でも藤太(とうた)預けてる」 「楢山(ならやま)騙すくらいどうてことないわ。それよりなぁ、そろそろ集中…」 「でも!……あっ!!!」 --正に溺れて堕ちて果てるまで。 精魂尽きて御休憩のはずが御宿泊になり、翌日、2人は仲良く、賢太郎(けんたろう)に連絡くらいしろと、お説教されたのでした❤︎
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