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「瘰とも随分仲良くなったようだな」
「良くしてくださっています。最近は話し相手にもなってくれていますし」
「ほう、それは珍しい。瘰は気難しい性格で有名なんだが」
「瘰さんが? そんなの信じられません。確かに最初は怖かったですが……話してみると、とても大らかで頼りになります」
「そうか。まぁ、だから私の側近として仕えてもらっているのだが……自分以外の人が褒められるのは妬けるな」
飛龍は自嘲しながら言った。
「瘰さんを、恋愛の目で見ているわけではありません。本当に、純粋にそう思っただけで……」
「分かっている。万が一、其方が瘰に惹かれたとしても私が振り向かせてみせるよ。運命の番だからね」
「ふふ……本当に、殿下は瘰さんのおっしゃる通りの人柄のようです」
「瘰のやつ、青蝶に何を話したのだ?」
焦っている飛龍は初めて見る、思えば昨夜からいろんな顔を見ている気がする。
それも何だか楽しく感じた青蝶だった。
「それで、昨夜の続きを話に来た。心の準備は出来ているか?」
「暁明のことですね。自分では検討もつかないので、包み隠さず教えてください」
飛龍はいつになく真剣に言葉を選んでいる様子だった。
青蝶も息を呑んで飛龍の言葉を待つ。
その後、飛龍から教えられた暁明の事実をどう受け止めれば良いのか、青蝶は戸惑うことになる。
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