其の参拾肆

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 恥ずかしくなり、飛龍の胸に顔を埋めた。これじゃあ、青蝶がずっと抱かれたいと思っていたのがバレバレだ。  しかも焦るなと、促されてしまった。何か言い訳の一つや二つくらい、したくなる。 「あの、いつも殿下が帰るのを見送るのがすごく寂しかったです。この後も朝まで一緒にいられたらって、ずっと思っていました」 「それは私も同じだ。自室に帰るのが嫌で嫌で仕方なかった。このまま、青蝶といられたら……そう思うと、毎晩後ろ髪を引かれていた。しかし、それも今日で終わりだ。これからは毎日朝まで一緒にいられる」  頭を撫でる指の間を、さらりと青蝶の髪が滑った。毎日食事を摂るようになってから、みるみる髪が美しい輝きを放つようになっていった。  体の華はまだ表れている。顔の痣も、多少は薄くなったとはいえ、目立つには変わりない。  これらが飛龍の体液でどこまで消えるのか。可能性は計り知れない。  青蝶は今夜、飛龍に言う我儘を決めた。  これ以外には何も思い浮かばない。  布団の中で絡まる脚が(うごめ)いて、時々青蝶の中心に当たるのは飛龍の確信犯だと思った。 「青蝶、私の体液を与えよう」  飛龍の唇が触れる。青蝶は素直に受け止めた。
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