フェーズ6

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 翌日は外来で涼の診察を予約してある日だった。昨日、涼に言われて思い出した。お泊まりのことで頭がいっぱいで、すっかり忘れていた。  いつものように学校が終わってからそのまま病院にやってきた。再来受付と検査を済ませて外科の待合室で待つ。いつもはただ涼に会えるという意味でドキドキしていた。今日は別のドキドキだ。これから会うのは、彼氏としてではなく医者としての涼だ。あんなことをしてしまった今、主治医の顔をまともに見られるだろうか。  しばらくして外来受付の女性事務員が、「神河先生の患者さん、いらっしゃいますか」とあたりに呼びかけた。どうしたんだろう。手を挙げると、事務員は私の元までやってきて、かがんで申し訳なさそうに説明し始めた。 「ごめんなさいね。神河先生なんですが、緊急の対応で病棟へ行ってらっしゃって、診察が中断してしまっているんです。しばらくお待ちいただくことになってしまうんですが、お時間は大丈夫ですか?」  涼のことならいくらでも待ちます。 「はい、大丈夫です」  忙しいんだ。大丈夫かな。しばらくかかりそうだから、私は院内のコンビニにでも行ってみようと席を立った。
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