フェーズ6

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「いつもありがとうございます、先生」  本来なら涼とは次の診察でお別れになるはずなんだ。異常がなければそれきりもう二度と、一生会えなくなる人だった。それが今では、これから一生をともにしようとしている。 「お大事に。気をつけて帰って」  席を立って診察室を出ようとする私に、涼が付け加えた。 「あ、腰もお大事に」  私は軽く睨んでから廊下へ出た。
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