番外編 ジロウ※

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番外編 ジロウ※

この身体は俺が作ってる。 そう思うと興奮する。 髪も肌も、首も腕も腰も。 一緒に暮らし始めてからどれくらい経っただろう。仕事はバーシャミからフィエロに移り、住居は引っ越しもした。 リロンの食事はジロウが作っている。 だから、ジロウの手によりリロンの身体が作られていき、以前より肉付きも良くなり、血色も良くなっている。 ベッドの中では興奮から薄い皮膚が熱くなり、白い肌が赤くなる。 それが見たくて、いつもベッドでは気持ちよくさせようとして、たまにやり過ぎて怒られることもある。 「ジロウさん…愛してるよ」 冷蔵庫の中でイチジクが熟していた。 今日はそれを使ったパスタを作り、食べ終わったらベッドに直行した。 知ってるよ。 君が俺の不安を気にしてくれてること。 何となく察してるんだろうなと、わかってる。ごめんな、心配させてるな。 でもな、本当にもう大丈夫なんだ。そんな不安を何とかするより、君を愛して食事を作るのが忙しくて、昔のことなんて忘れる日が多くなっているんだ。 「俺も、愛してるよ。リロン」 貪るようにキスをしてしまう。毎日しているのに、まだ俺は過剰に君の唇を求めてしまうんだ。 息切れをする間隔が短くなると、身体を捩る癖があるだろ?そうなる頃には、俺は興奮しておさまらないんだ。 「ジロウさん…ジェル取って…」 「俺にやらせろよ」 リロンを後ろ向きにさせて、後ろを解していく。ジェルをグチュッと手のひらに溢して、指を使い、君を解していく。 二本、三本と指を増やして、中に指を入れグリグリと押してあげると、リロンは身体をのけ反らしている。 その後は仰向けにさせて、孔を広げてゆっくりペニスを押し付けていくと、ジェルがグチュっと卑猥な音を立てていた。 そのままペニスを奥まで全部入れてから、左右に腰を揺らすとまたリロンは身体をビクンさせ、のけ反っていた。 「今日はゆっくりしようかなって…」 「…な、んで?」 「なんで…って、最近、無理させてたし?だからゆっくりしよっかな…って」 ズクズクと腰を小刻みに揺らした。奥に入れたまま、ゆっくりと時間をかけて腰を動かすと気持ちがいいらしく、リロンは声を上げていた。 「はっ、はっ、あああっ、やぁぁっ、」 「お前の中、ヌルヌルで濡れてる…っ、ああ…絡みついて気持ちいい…」 リロンを見るとタラッと射精しているようだった。それにガクガクと足が痙攣させていた。ゆっくりとしたセックスでも、リロンはイキっぱなしになっているみたいだった。 ジロウの方は『ゆっくりとする』と言った手間、激しく動けないもどかしさから、ペニスはガチガチとなったまま、リロンの中でビクビクと動きっぱなし、ダラダラと先走りが出ているので、リロンの中を更にびちゃびちゃに濡らしている。 「お前の乳首かわいいよな。ツンって尖ってて、触ってくれっていってるみたいで」 「ち、ち、ちが…うって、ああん、」 腰をグチグチと左右に動かしながら、リロンの乳首を唇に含んだ。 人生は食事と愛だろ? 毎日、俺は君の愛を食べさせてもらってるよ。そう口に出して言うと、君は照れてしまうから言わないけど。 「ジロウ…ダメ…いつもみたいに激しくして。これだともどかしくて、ヤダ…」 「ヤダって…イッてるじゃん。ゆっくりでも気持ちいいんじゃないのかよ」 「あ、あ、…いいけど…ダメ、もっといつもみたいに…ゴリゴリって、して欲しい」 「ゆっくりしてみたかったんだけどな。やり方間違ったのかな」 「腰…振り上げて…いつもみたいに俺を、欲しがって…」 ジロウはリロンの足を抱え直した。上から覆い被さるようにして、いきなりペニスをギリギリまで引き抜いた。 「欲しがってなんて…そんなこと言われると、俺は我慢できないぞ?リロン」 入り口まで引き抜いていたペニスを一気に奥までぶち込んだ。 「あああ…い、いいっ、はぁっ、」 リロンの腰が宙に浮き、背中をのけ反らしている。 上から叩きつけるように、ペニスを何度も奥深くまで激しく強く抜き差しする。 「突っ込んでるところが広がっててよく見える。エロいな。…っ、あっ、気持ちいい。やっば…やらしい音がしてんな。聞こえるだろ?」 ぐっぽぐっぽと、卑猥な音がする。ペニスでリロンの中を探っているのが好きだ。腰を振ると音も大きくなっていった。 「あ、あ、あ、っっはあぁ、っんん」 「ほら、俺に入れられながら、オナニーしてみろよ。気持ちいいぜ…」 リロンは自身のペニスに手を伸ばして、扱きあげている。リロンのペニスは膨張してまた射精しそうだった。 「あ、あ、あっ、い…く…出ちゃう…ジロウ…」 「イケよ、リロン。乳首摘んでやるよ…気持ちいいだろ?あっ、やっべぇ、締まる。乳首引っ張ると締まるから、くっ、イキそう…エロいな…ああ、腰が止まらねぇ、イキそうだ…」 ジロウは激しく腰を振り上げながらリロンの乳首を指で摘んだ。キュッと摘み引き上げると、リロンは高い声を上げて射精していた。 「…っ、くっ、出すぞ。奥にかけるから」 ジロウはリロンの腰を掴み直し、最後は重く激しく下から奥に腰を押し上げ、リロンの奥深くに精子をぶち撒いた。 派手に中に出した後、ペニスをズルっと引き抜くとタラッと俺の精子がリロンから出ていた。 ああ…気持ちいい。まだ足りないと、ジロウは思っていた。 「…リロン?やっぱりさ、スローセックスなんて俺たちには向かないな…」 「うっそ!ジロウさん、スローセックスやってみたかったの?」 俺の下でリロンが驚いた顔をしている。 身体もベッドも、汗と精子とジェルでベトベトだ。次のターンもすぐにしたいところだが、リロンの身体を拭いてあげる。 「うん、そう。普段、負担をかけてるからさ、スローだといいかなって考えてさ」 「ジロウさん?スローセックスって何日にも渡って愛撫だけを繰り返して、数日したら最後に入れて一回イクらしいよ。何日もナカに入れないで愛撫だけなんて、出来んの?」 「マジかよっ!スローセックスってそんななの?ゆっくり動かすことかと思ったぜ。スローセックス拷問だな。俺を早漏にさせる気かっ!」 ゲラゲラとリロンは笑っている。 ムードがない奴だ。 「ウケる…もう、やめて…ジロウさん最高!そもそもスローセックスなんて、あなたに似合わないって」 「だっよなぁ〜、よくわかんなかったけど、やっぱそう思う?じゃあスローセックスってやつは、もうちょっと、じいさんになったらやろうぜ」 ベッドの中でふざけ合ったり、真剣に愛を囁き合ったり、毎日時間が足りないくらいの日々を過ごしている。 こんな生活ができるなんて思いもしなかった。あの時、地下鉄の駅でリロンに会えてよかった。タイミングよくリロンのお腹が鳴ってくれてよかった。 リロンとの出会いは『きっかけ』というと、カッコつけてるようで『勘違い』って言われると、俺は少し寂しい。 だって、本当は運命的な出会いだっ!って大きな声で言いたいんだぜ? 人生は食事と愛だろ? どっちも与えるものであり、与えてもらうものでもある。 不思議なもんで、俺たちもそんな感じの関係を、運命的に持ち過ごしているんだ。 「なーに?考えごと?」 「うーん…何だか、俺たちに似てるよな」 「えっ?なにが?」 「食事と愛だよ」 「何言ってんの?ジロウさん」 ベッドの中でゲラゲラとリロンがまだ笑っている。 食事と愛と俺らだろ? 全部共通するじゃないか。 それに全部似ている。 与えて、与えられて。 ものすごく腹が減って、満腹になって。 気にして、気にされて。 「なぁ、リロン…じいさんになってもベッドに、一緒にダイブしようぜ」 「何それ」 それに、過去も怖くないってわかったんだ。君を愛することが出来るのも、俺の過去があったからなんだってな。そう思えてきたよ。 「ダイブしたらお前に足を絡めて寝るんだ。なあ…これってやっぱり愛だろ?」 「やっぱり、ジロウさんは確信犯か。知っててやってるもんな」 そうだよ。 君を見つけたから離さない。 寝ている時は足を絡めてるんだ。愛してる君から離れたくないからさ。 仕方ないだろ? そう口に出して言わなかったけど、 ベッドの上でリロンは笑ってたから、ジロウは上から覆いかぶさり抱きしめた。 end
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