公暁、武士になろうとした男

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 公暁は、ここはどこなのだろうかと思いながら、ふらふらとさまよい続けた。 「もうよいのだ、善哉。いい加減、楽になって、浄土(こちら)へおいで」  哀れむように、父頼家は語りかけてくる。  だが、武士となった男はそれをよしとはしない。 「いいえ、父上!俺は未来永劫、仏の邪魔をし続けると決めたのです!」  善哉は、欲界の王、天魔となった。 「俺は、源頼家が息子、第六天魔王源為頼なり!」  善哉の戦いは終わらない。
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