3人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
公暁は、ここはどこなのだろうかと思いながら、ふらふらとさまよい続けた。
「もうよいのだ、善哉。いい加減、楽になって、浄土(こちら)へおいで」
哀れむように、父頼家は語りかけてくる。
だが、武士となった男はそれをよしとはしない。
「いいえ、父上!俺は未来永劫、仏の邪魔をし続けると決めたのです!」
善哉は、欲界の王、天魔となった。
「俺は、源頼家が息子、第六天魔王源為頼なり!」
善哉の戦いは終わらない。
最初のコメントを投稿しよう!