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公暁は、まだ鎌倉にいた頃、叔父実朝が皆の前で公暁の進退についてはっきり告げた時の義時と義村の動揺ぶりを思い出した。
実朝は、穏やかで優しげに見えて、あらゆることを想定して見抜いた上で、手の内を見せることなく、それでいてここぞという時に相手をゆさぶる、強かな人間だった。
実朝自身、悩み苦しむということがないわけではなかろうが、どういう心情であったとしてもそれに耐えて最後は自らの責任で判断を下してきた。和田や栄実の討伐もまたしかり。
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