公暁、武士になろうとした男

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 やがて、祖母政子が、弟の時房を供に熊野詣に出かけたとの報が入った。 「ばあさまは、熊野詣と称して密かに京に向かったそうだな。一体何のために?」 「尼御台は、院と関係の深い卿二位殿と対面したそうですが。具体的にどのような話がなされたのかは全く分かりません。ですが、何かあると考えた方がよさそうです」  公暁の問いに対し、義定は苦い顔をして答えた。   
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