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公暁がいた園城寺は、比叡山としょっちゅう仲違いをして武力衝突を起こしているような環境だったから。仏に仕える聖なる領域というのは建前のことであって、あたりを探せば坂東武者にも劣らぬ荒くれ者の僧兵達が大勢いた。
公 暁は、彼らの中に混じって、来る日も来る日も、仏に仕える者としての勉学などそっちのけで、人を呪い殺す方法と、武をもって人を殺す方法と、酒に、男か女を問わず色の道と、そんなものばかりに励むようになった。
仏の顔は、否応なしに若い叔父を思い出させ、公暁の恐怖は増していくばかりだった。
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