chapter2 花嫁を追いかけて

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「今年の春にはお前は小学校にいくんだぞ? ちゃんとベッドで寝れるようにならないと 」 明が暗い顔で言った 「い・・・行きたくなっ・・ない・・ がっ・・学校なんか・・・ 」 「学校に行ったら友達も出来るぞ? 楽しいことがいっぱいあるよ」 「ほ・・・北斗といる・・・ 」 ぎゅっと首にしがみついてくる 母親の違う弟の背中を優しく叩いてやる 不安なのはわかるがいつまでもこの家で 北斗達大人だけと関わって生きていくわけには いかない 「今日はアレクサンダーに乗せてやる それと噓つきのお前の二番目の兄さんは? どこにいるか知ってるか? 」 黒毛の勇ましい雄馬アレクサンダーに 乗せてもらえると言われて 明の小さな体に興奮が走っているのがわかる 彼は思わず笑顔になった 「あ・・朝方・・トラックの音がしたから ナオは・・帰ってきてると思う・・・」 「着替えてきなさい 」 :*゚..:。:. .:*゚:.。 北斗が母屋から畑を挟んだ納屋に顔を出してみると 藁の山の中に埋もれて北斗の実の弟直哉が いびきをかいて寝ていた とても酔っぱらっている 尻がズボンからはみ出している 納屋中が酒臭い なんとも情けない こいつは昨夜も牧場と町の間にあるスナックで 朝まで飲んでいたのだろう 北斗は納屋の入口に佇み腕を組んで コイツをどうしたものかとため息をついた ボコボコに殴るのがいいか それとも頭から水をかぶせるのがいいか 「なんだ?そこで寝てるのはナオか?」 その時北斗の後ろから話しかけたのは 北斗の親友で郵便局員の「笠原仁(かさはらじん)」だった 北斗の同級生は身長185センチはあり そして30歳を超えた今でも 成長期のように身長は伸び続けている 灰色の郵便局員の制服のズボンから くるぶしがはみ出ている 彼の家族は巨人一家でお父さん(郵便局長)も お母さんもとても大きい家族だ 村の人々は彼の事を「ビック・ジン」と読んでいた
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