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【甘い朝】
目覚ましの音に
絶望しながら
朝日を噛み潰す
リビングに行くと
いつものように
母が淹れてくれた
コーヒーがある
ありがとう
そんな一言も
言えないほどに
気怠げな眠気が
付き纏う
トースターにパンを入れ
適当にタイマーをセットする
少し冷めたコーヒーを
口に運ぶ
いつもよりも少し苦い
ミルクを入れようと
重い腰を上げる
チンッ
トースターの
小さくてうるさい
時限爆弾が
爆発した
ミルクは諦め
パンを取り出す
黒く焦げたそれは
私の心さながら
コーヒーにはミルクを
パンにはバターを
それでも苦さは
付き纏う
テレビをつけると
いつもならもう
家を出る時間
急いで詰め込み
身支度をする
いってきますと
暴れながら
大声で告げ
ドアを開ける
雨が降っていた
涙のように
泣きたいのはこっちだ
私は苦虫を
噛み潰す
学校に着くと
案の定びしょ濡れ
席に着き
タオルで拭いていると
キミが来た
幸せそうに
何かを食べながら
「何食べてるの?」
なんて聞く勇気は
持ち合わせていないから
横目でそっと…
ふと目が合って
キミが微笑む
「はいコレ」
そう言って
私に渡す
個包装の
チョコレート
私の手のひらに
乗せられたそれは
体温で溶けてしまいそう
口に入れると
甘い味がする
空には虹が
煌めいていた
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なんか、適当に。気の赴くままに。柄じゃないけれど笑
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