序章

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序章

0b9ecbf1-73f5-4d2c-bac2-124b4cf0cf0a 上杉君江 様 僕を大事に育ててくれて、ありがございました。 達夫は御国のために尽くしてきます。 僕はもう怖くはありません。 思えば何もしてあげられませんでした。 君江さん、本当は僕の母親ではありませんでしたね。 だから、恥ずかしかったのです。 お母さんと呼ぶことが 今までのご無礼をお許しください。 僕の分まで長生きしてください。 今度こそは呼びます。 お母さん、お母さん、お母さんと 上杉達夫 お母さん また、生まれ変わってきたらね。 お母さんの子供になりたいな。 いいかな、お母さん。 今度は素直ないい子でいるよ。 約束するからね。 お母さん お母さん、僕はもうすぐお母さんの元へ行くからね。 また、可愛がってくれるかな。 待っていてね。 商店街より威勢のいい声援が響く。 上杉達夫君 万歳 万歳 達夫君 万歳 それでは、征ってきます。 泣かないで、お母さん。
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