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「あ、んん、ん」
「リリアン、大丈夫か?」
「ふぁ、ふぁい、だい、じょうぶです、んん」
大丈夫なのか? 痛くはないけれど、圧が半端ない、とにかくまだ指、それも二本目。もう一本入らないとダメだってガリアードは言う。どこ調べ? もう一本入っても俺はダメだと思うよ、お前、自分のデカさ知ってる? って聞きたいけどそんなこと聞けない、だって俺はリリアンだもん! お下品な言葉は出せません。
「あぁ!?」
「はは、ここリリアンの良いところだったな」
「あ、あああ、あん、ああ」
「ちょっと緩んできたな、これならもう一本大丈夫か?」
「あ、あぁー、ふっ、はぁ」
「よし、挿入ったな」
「ふはっ、あ、」
これを会話だと思うやついるか? 俺はずっと「あ・は・ん」くらいしか言っていないぞ。「ふ」も言った。それにしても、どうしてガリアードは俺と会話を続けていられるのか不思議だぜ。
とにかく指が太いし苦しいのに、なんか気持ちいい、このちぐはぐな感情をどうしてくれよう。
「あ、ああ!」
「すまない、指を抜く時もリリアンは感じてしまうんだな、可愛いなっ、くそっ」
「ガリアード様?」
「ああ、リリアンキスしよう」
「はい、んんん、んちゅっ、ふっ」
指を急に抜くから、いい場所をかすってリリアン喘ぐ、そして急に開いた感じで後ろが寂しかったら、ガリアードがキスしてきた。キス、気持ちいいな。俺はガリアードの頬を触りほほ笑んだ。
「ガリアード様、もう指は終わりました?」
「ああ、一応目安として言われている三本は挿った」
だからそれ、どこ情報!?
でも長引かせるとリリアンの体力が持たない、一応初夜は最後まで迎えて、正式にガリアードの妻になりたい。それが俺の仕事、ガリアードと繋がらずに初夜を終わらせたら、公爵家の人間として恥をかく! 社畜は決められた仕事を期限内に終わらせる、これ基本。期限を守れないなんてダメ、ゼッタイ!
「じゃあもうガリアード様は僕の中に……きてくれますか?」
「ああ、その前にもう少し、君の中を解さないと」
「えっ、まだですか?」
「ああ、指だと痛かっただろう? だから今度はね」
そう笑って、またガリアードはリリアンの息子と、こんにちはをして、ちゅっと息子にキスをした。
「あん」
そして両足をまたがばっと開かれて、今度はガリアードがリリアンの可愛い出口もとい入口にキスをする。そして吸った。ジュルっと吸って舌を入れ込み、ぺろぺろしてきたぁ!
「あああ、あ、ダメぇ、そんなところ、あん、だ、だめっ、ああ!」
「うねうねしてるぞ、気持ちいいんだろ?」
「あ、きもちいい、きもちいいけど、だめ。ああ」
あれ、このセリフ。なんか凌辱夫っぽくない? びゅっと、またリリアンの息子は自己主張してきて、ガリアードの顔に、なんと顔に白いものを出してしまったぁ。
「あ、ごめんなさいっ」
「ふふ、リリアンは元気がいいな。可愛い」
どこに可愛い要素が!? 男の子が元気に暴れたらそれはもう、やんちゃだろ?
「ふはっ、んん、ガリアード様のお顔が、汚れてしまいました」
「とろけた顔しているのに、私の心配か? リリアンの神聖な液体だ、これは汚れじゃない」
「……」
すいません、もう会話終わっていいですか? 俺、なんて答えていいかわかりません。
「可愛いな、リリアン。もう挿れるぞ」
「は、はい!」
そうだ、俺の最大の仕事は、ガリアードのガリアードをリリアンの出口兼入口に挿入してもらうこと、それをしなければこの物語は始まらない。凌辱にしても溺愛にしても、既成事実は大事だからな、俺は気合を入れなおした。
「はは、威勢がいいな。そんなにコレが欲しかったか」
「……欲しかったです」
何を言わせる、何を言わせるんだ、でも早く欲しい、後ろがもうバッチコーイって言っている。
「じゃあ、ゆっくり挿れるから、辛かったら言ってくれ」
「はい」
「リリアン」
「はい?」
「愛している」
「へ、あああ、ああ!」
愛の言葉と同時に挿入してきた。ゆっくりって言ったけど、ゆっくりミチミチくるから、半端なく違和感。もっとずぼっと思い切って一発でガツンといってくれた方がいいのでは? 苦しい、苦しい、苦しい。
「愛してる、リリアン!」
「あああ、あ、あ、あ、あ、」
「くっ、きついな。もうすぐだ、もうすぐ全部いくから、ふっ」
「はぁ、う、ううう」
何を語りかけられてもきつい。やはり処女はきつい、梁型でお試ししてからの方が良かったんじゃって思わなくもない。アニメのリリアンと、今の社畜仕様リリアンと、どちらが苦しいんだろう。心情的には甘やかされて、とろけてから挿入されている自分の方が絶対マシだとは思うけど、最初がガリアードって、ゼッタイ今の俺の方が、孔は辛いと思う。
「うっ、ああ!?」
「全部挿入ったぞ、よく頑張った」
ついに俺は、俺はぁ、ガタイのイイ男とガッタイしました!
祝ガッタイ、社畜の念願叶う。第一プロジェクト終了! 達成感ぱねぇ! 苦しいけど、俺、やったどぉー、とったどぉー。人生初の男根を後ろで咥えたぜ! 俺の心が満たされるとたちまち体も弛緩した。急に快楽がやってくる。
仕事をやり遂げたという感情は、すぐに現実に引き戻された。
「くっ、リリアン!? 急に締めるな」
「あ、だって、だって、ああ」
大きくて苦しいのに、だんだんと馴染んで快感を少し拾えた。こんなにデカけりゃ、馴染めば最高だろう。でもリリアンにはまだそのスキルはないから、ちょっとでもいいところに当たった時に快楽を拾って、なんとか苦しさを紛らわすしかない。
「リリアン、少し動くぞ」
「うっ、はい」
ああ、まだ終わりじゃなかった、ガリアードが達してくれなくちゃ終わらない。ガリアードも汗をかいている。きっとガリアードだって処女孔はきついのだろう。それでもガリアードなりに気を使ってゆっくりと進めてきてくれた。
「ガリアード様、」
「どうした、もう無理か?」
心配する顔も男前だ。
「好きです、ガリアード様」
「せっかく抑えているのに、煽るなっ」
「ごめんなさい、でもちゃんと言っておきたくて。んん、はぁ、ガリアード様が好き、リリアンの中に早く、ガリアード様の子種をください」
そして早く終わらせてぇ、もう辛いよぉー。
「くそっ、動くぞ」
「あ、あ、あ、あああ!」
ガリアードが急速に腰を振る、リリアンはしがみ付いてその衝撃を小さな体で受け止めた、痛い、でも苦しい、でも気持ちいい、不思議な感覚の中、ガリアードの上りつめる顔を見たら、たちまち愛おしさで溢れてきた。自然に涙がでてくる、なんでだろう、なんの涙だろう、痛みだけじゃない、心が温かい、ガリアードは俺を見て驚いた顔をしたと同時に果てた。俺の腹は急にあったかくなって、そのまま全てを受け止めた。
「すき、ガリア…ド、さま」
「リリアン、愛してる」
そして挿入ったまま、ガリアードはリリアンの目元から口元にかけて丁寧にキスをしてきた。そして口を開くとガリアードが慣れた感じで舌を自由自在に絡める。
固くて大きいガリアードの胸に抱かれ、きつく抱きしめられ、挿入したままの状態で二人時間を過ごした。とても温かくて幸せだった。
これで俺の溺愛ルートは確定された、そう安心して俺はガリアードの胸に全てをゆだねて意識を手放した。
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