22 交わり ※

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22 交わり ※

 殿下が帰られてから、嫁になった俺は一通り辺境伯の屋敷を案内された。  リリアンの部屋だけは、もう立ち入り禁止にさせられた。ガリアードが第一王子に俺の姿を見せるのは嫌だと言い出したので、第二王子のいう第二シーズンが始まるまでは、夜に休む場所は、ガリアードの部屋のみとなった。基本リリアンの部屋以外はどこへ行くのも自由だし、好きに過ごしていいと言われた。  結局リリアンは第一王子のことに関しては何もせず、周りが動くことで様子を見ることになり、ジュリとリックとヤンには積極的に鏡の前で働いてもらうことになった。  その日は嫁として辺境伯のことを簡単に家令のリチャードから教わり、そんなリリアンにガリアードがつきっきりで過ごしていた。奥様としてのことを教わっていると、いつの間にか夜の時間になり、待ちに待ったガリアードとの第二夜の始まりの時間がきた。  家令が教えることがあると言ってきて、あの後すぐにベッドへゴーするわけにはいかなかった。ガリアードは一通り家の者たちにリリアンを紹介したら、すぐにベッドに行く予定だったらしいのに、殿下がアポなしで来て時間を取られたし、さらには家令にも奥様としての仕事を伝えなければいけないと言われてガッカリしていた。  ガリアード的に早く家の者への紹介を済ませて部屋に籠り、初夜の続きをする目的があったと聞いて、ほっこりした。そういう意味があって、朝起きてから着替えを普通にしたんだね、納得!  俺は、途中触ってくる旦那を制した。  リリアンとして主導権を握るところは握る。本当は覚えたての体に早くエッチな続きをしたいと思っていたが、いい機会だ! エッチだけ要員と思われないためには俺も我慢して、家の者たちを大切にする妻、辺境伯夫人として家を切り盛りする仕事も覚えてあなたの役にたちます、夜も頑張ります妻をアピールして、ガリアードには、結婚初日から「待て」を覚えさせた。  自分のやるべきことがある時は対応いたしません、そういう妻の面も早めに見せておく。いつでもリリアンを自由にできると安く思われてはダメだ。攻略可能な凌辱対象になる可能性や溺愛ルートへの道が閉ざされてしまうようなことは避けたい、すぐにでもヤリたかったけど我慢した。ガリアードはもっと我慢していた。  お互いに風呂を済ませてベッドの上でキスが始まる。 「んっ、ふっ、んんん」 「リリアン、この時間が待ち遠しかった」 「ん、僕も……です」  ガリアードは意外にも常識人なのか、リリアンが辺境伯夫人として気合を入れた姿を見せると無理強いはしてこなかった。だからこそ、この時間に爆発してしまった。いきなり激しいキスが始まった。唾液が混ざる音が響く。 「んはっ、あああ、んん、んくっ、んちゅっ、ガ…リア、ド様っ」 「リリアン、昼間のあなたは貞淑な妻そのもので、とてもそそられた。我慢させられた分、もう私は止まらない」  途中ガリアードが話すときに唇が離れる、銀糸が伸びるが、それさえも途切れさせたくなくて、俺はすぐに追いかけて唇を求めた。 「んん、止めないでっ、ください」 「ふっ、リリ、アン」 「んちゅっ、じゅるっ、はっ」  夜は淫らだよ?   昼は貞淑、夜は淫乱、エッチなことは夫に従う素直で可愛い妻。ああ、キス気持ちいい! ガリアードがまた唇を離して、今度は胸の突起を握った。 「ああ!」 「昨夜初めてを交わしたが、今夜もいいか? 体が辛かったらすぐヤメ」 「や、やめないでください。僕はガリアード様に愛していただきたくて、今日はずっとウズウズしておりました」 「リリアン」 「っうう!」  そこで乳首を握ったまま、押し倒された。 「リリアンの胸、まずはここを吸わせてもらってもいいか?」 「はい……ガリアード様のお好きなように」 「ふっ、赤い顔して強がりなことを言う。頑張って私に合わせてくれているのだな、健気で強く、可愛い人だ」  握った指は外された時に、思いっきり突起が二つ立ち上がった。体がびくっとする。 「んんっ、はぁ、」 「可愛い、気持ちいいか?」 「んん、あ、はい。ガリアード様の大きなお口大好きです、温かくて、きもちイイっ、ああ」  ちゅうちゅうとリリアンの小さな胸を吸うガリアード、痛くはない。くすぐったくてもどかしくて、そしてやっぱり気持ちがいい。その間に手は股間に降りていった。バスローブは前側が全て開き、リリアンの体はほぼ裸に近い状態だった。(さわ)られたリリアンの下は既に反応を示して、握られると同時に胸も撫でられて、ビクっと一瞬体が浮いた。 「はは、可愛いな。感じたな」 「はい、感じましたっ、体がぴくぴくしてこわいっです」 「そのまま感じるままに、流されてくれ」  ガリアードがリリアンの可愛らしい分身をしごくと、呆気なくリリアンは達した。 「ああんッ」  白濁をガリアードの大きな手にまき散らした。それをガリアードはリリアンの目の前で見せて、その場で舐めた。大きな手につくリリアンの愛液をぺろりと舐めた。 「いやっ、そんなこと」 「リリアンの出すものは全て私のモノだ。最後の一滴まで出してくれ」 「う、恥ずかしいです、でもガリアード様を感じて出したい。だから早くガリアード様の子種をリリアンにください」 「うっ、たった二回目でもその煽り方は、くそっ、まだあまり激しくはさせたくないのに」 「いいです。リリアンを激しく求めてください」  ガリアードはリリアンの股の前に顔を落とした。そして今度は躊躇なく尻の孔を舐めた。 「あああ」 「昨夜の跡はもう大丈夫か? 痛くないか?」 「痛くないです、けど、そこは汚いからおやめくださいっ、ああ」 「リリアンに汚い場所など一つもない。素直になれ、気持ちいいか?」 「き、きもちいい。ガリアード様の熱い舌。気持ちいい…‥‥っです」  ガリアードはにこっと笑い、グチュグチュと舌を入れ込んできた。やばい、本当に気持ちいい。浅いところをグチュグチュと熱い舌が出入りする。するとリリアンの腰も無意識に揺れてきた。  ガリアードのくすっと笑う声が聞こえる。 「リリアン、もっと奥が欲しいか?」 「ほしいっ、ほしいです」 「じゃあ、指()れるぞ。痛かったら言うんだ」 「はい……ああ」  ジェルを付けた指が一本挿入された。くぽっと音がして、ゆっくりと侵入してくる。痛くない、なんならすでに気持ちいい。 「あん、あ」 「二本目」 「あ、ああ、あん」 「ここだね、ほら」 「ああ、ああああ! だめ、そこは、だめっ」  前立腺をもう的確に覚えたガリアードは、自慢げにそこを()る。 「あ、あ、あああ」 「三本目」 「あッっ! んんん、もう、だめ、だめ、だめぇ、ああん」  くぽっと指を抜く。空気が入る間もなく、ガリアードが挿入(はい)ってきた。 「あ、あ、あ、おおきいっ、ああん」 「くっ、きついが、さすがリリアン。覚えの良い体だ、確実に昨夜より受け入れられている感じがする、ほら、もうここだ」 「ああ!」 「奥まで一気に行くぞ」 「あ、あああああっ!」  最後にこつんと到達した。  本当にこの体は覚えがいい。凄い、最後まですんなりと挿入(はい)ってしまった。ガリアードも満足そうな顔をしている。固くて大きい立派な男はリリアンの中を我が物顔で占領していた。 「動くぞ、リリアン!」 「あ、はいっ、あ、あ、あ、あ、ああ」 「くっ、凄い、いいぞ、リリアン」  ガリアードが昨日とは打って変わって、早い段階で動き出した。いたいっ、おおきいっ、きもちいい、おかしくなっちゃう。頭の中はもう何も考えられない。リリアンの体が動く、そしてガリアードの精悍な顔からは汗が落ちてくる、そしてキスも落ちてくる。 「んん、ふはっ、ちゅぅっ、はっ、ああああ。だめ、でちゃう、ああ、出ちゃいます!」 「出せっ!」 「あああ!」 「くっ、うっ」 「は、あん、あん、あ」 「リリアン、愛してる」 「ぼ…くも」  そこで二人とも達した。お腹がじんわりと温かくて、同じタイミングでガリアードも気持ちよくなってくれたことに嬉しさを感じた。生理的な涙を流して、ガリアードの背中をしかと抱きとめて、温かい熱に包まれていた。 「リリアン、愛おしい人」 「あ、ガリアード様ぁ、ぼ……くの愛おしい人」 「愛してるリリアン」 「ふあっ、んん、す…き」  二回目の交わりは一度目よりもっと深く深く、とても心地いいものだった。
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