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何だかんだ。流行も過ぎお腹いっぱいになってきてるこの異世界にまた一人来たみたいだ。
「ああ、勇者様お待ちしておりました。どうか……どうか。この国を救い下さいませ」
そう告げられたこの世界に召喚された勇者は誇らしく告げた。
「任せておけ。魔王は俺が倒す!! やったぜ。念願の勇者だ。きっと主人公補充で死ぬことはないし、ワクワクするなぁ」
国王に告げられ自分を召喚した怪しげなフードを被った女性や男性に達に囲まれて、異世界で早速チヤホヤされる勇者は、定番化の旅に出るためのお金と装備品を用意された。
「勇者様。気持ちばかりの物ですが御使いください」
こういう場合の旅の最初は、攻撃力も全然ないボロ剣や、ボロ服、それと、ダメージ受けた時の回復の薬草だ。
「やっぱり、序盤は全然使えなさそうな旅の装備品……だな……。んっ? マジかよ。ラッキー。俺ついてるわ 何だかんだ。自覚ないけど、女神の加護的なのついてんじゃん」
只、一つ。序盤の装備品としてはやや防御や攻撃力がアップする鎧が目立つ感じで置かれていた。
迷う事なくまっしぐらに、鎧に触れて、
ゲームのように自分のステータスのアイテム欄の装備画面を表示すると。
鎧を装備しますか? と選択肢が表れる。
さっそく、迷う事なく装備品を選択して早々と身につけた。
「ヨシ、これで魔王退治に向かう途中の序盤のザコ敵は……簡単に……たお……せ……っっ」
冒険にヤル気満々だったはずの勇者。勇者は、何故か倒れて苦しみだした。胸が苦しい痛い。苦しい喉が、身体が焼けるように痛む。
「ああ、勇者様。云い忘れてたましたが、その装備品の一つは呪いを受けてまして。女性の場合は関係ないのですが……って、もう遅かったみたいですね」
踞って暫く経つと……呪いの鎧によってボンッと音を立てて煙をまとい、女性になってしまった勇者の姿がありました。
「うわぁああああ!!!?」
驚く勇者を横目に、ポンッと肩を置く。君も被害者かと何人か勇者の元に「君も欲が出たんだね」「クソゲーだよな」「この生活も悪くないぜ」と、鎧を着た何人かの女性達が顔を覗かせていた。
この女性達は、鎧の呪いを受けた者達。この女性達は元は男性で、勇者と同じ様に異世界に来た者達なのだ。
「そんな……俺の異世界無双が……」
そう、この異世界は転生者で溢れてきている。
魔王になった転生者も居たりするので、一人や二人、いや、数百万人以上も多分やって来ているのだ。
「可愛そうに。こんなにもか弱そうな勇者様に魔王など倒せるわけないです。大丈夫ですぞ。
また、新たな勇者が来るまで我が国が面倒を見ますぞ。君は何不十なく此処で暮らすといい」
国王は直々にそっと勇者の背後に添えて微笑む。
「大丈夫ですぞ。可愛らしい新たな勇者様。優しく優しく扱いますからね?」
「んっ……ちょっ……なにをっ……んっっっっ!? ああああああああっ」
女性となった勇者の蜜壺にズボズボと国王の雄棒を押し込んでヌチャヌチョと襲われている勇者の悲鳴と甘い音と声は
回りは気にせず、そのまま他の先に居た転生勇者同様に襲われ続けた。
元々の食文化や、物の価値が変わったりするのも転生者の仕業。
魔王や勇者が何人いても可笑しくない世界になっている。
それでも中には、この悲劇な勇者なんかのように、選択を失敗せずに異世界にやって来た者が。
何個かのルートを女神の加護も無しのナシで回避してくぐり抜けてひっそり暮らしている者が森の奥深くの中に居たのだった。
此方の勇者の初めてのエンドは
「「国王とずっと一緒」」というテロップがひっそりと浮かんでいた。
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