1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふぅ……今日も天気がいいな」
畑の作物に水をあげながら、カゴいっぱいのトマトやトウモロコシを収穫して持ち上げて運びながら、一人森の奥に住んでいる者。
今日はスパゲッティでも作ろうかと献立を考えつつ、ひっそりと魔女でも住むような建物小山に、一人住んでいた。
この世界では魔法は勿論使えるような世界。食事も家事も魔法だより。只、此処に住んでるものは、水は川の水または、井戸水を濾過させてから飲んでるし、夜は流石に、光をまとう小さな蝶々のモンスターを捕まえて、それを灯りとして使っている。
普通に火を使ってもいいのだが、蝋燭は落として火事でもあったら危ない為。料理以外は火は使わないことにしている。
工夫次第で、よくある最強なスキル設定マシマシがなくても暮らしていける。
前の転生者のお陰で現世に似た野菜や果物も主流して野性化もしている。その種を植えて育てれば……少々の事はしなくても簡単に育つ植物になってる。
料理は魔法よりも複雑。携帯もないのでレシピを検索しようにもないため、レシピがあったとしても、一部は作れない物はある。けど、あまり困ることはない。生きとけば何とかなる。
「現世も今の生活も変わらなくなってきたなぁ。あぁ、街のフラグに気を付けないと……他の転生者のように悲惨な目になる。用心しないと」
さぁ、この収穫した野菜を売りに行こうかと、馬に乗って馬車に荷物と共に街に乗り出す者。
街にもフラグがいっぱいなのだ。
「出来ればお米も育てられたらなぁ……味噌も欲しいし。大豆以外で必要な物を他の転生者から作り方教えてもらえるといいな」
深い森を抜け、フラグ回収を避けるこの主人公の仮の名は。“ああああ”である。
名がないって事はある意味モブだからすぐに死ぬデメリットあるけど。カメラワーク変えれば、他の濃い転生者の方にフラグが向かうから
すぐモブの役割の近い影薄い能力で、えっ? そこに居たの? で、回避できるメリットでよっぽどの事がない限りフラグは起きない。
農家のおじさんって名前でさえも、フラグ回収されるけど、このフザけた名前が丁度良いからなと、ああああは、そうこう云う内に街へとついた。
名前で性別も見た目も大体区別がつくのだが、男か女かもモンスターでもない。ああああは、透明人間に近いので……。
「いたっ!! なんか見えない壁あるんだけど」
「お前知らないのか? この無馬車?」
「あ、アイテム屋の無馬車だ。アイテム下さいな」
ああああは、認識されないが、アイテム屋として商売をしていた。トレードマークは、飼っている馬である。馬車の屋台と馬は見えてるので、ああああのことは、宙にアイテムが浮いてるように見てえいるのだ。
転生者は大体は回復アイテムを求める。
後、アイテムの一つとして……。
「無馬車の透明さん。依頼の味噌は手に入らなかったが、お米は手に入ったんだ。麹菌で味噌作れると思うし……それまでお米で勘弁してくれないかな。味噌今度手に入れるからさぁ」
お願い!! っと、真剣そうにお客の一人がしている様子をああああは、眺めると、紙にペンで
『OK』と書き記した。
「やったっ!! じゃあ回復アイテムと、たこ焼きお願い」
「おっ? 調味料のソースが揃ったのか? なら、俺は、焼きそばにしようかな」
「んー? 私は獲れたての異世界海老達を手に入れたから……たまには、日本食も食べたいからお刺身にお願い。その後で、私もお好み焼きもお願い」
あ、なら俺もお好み焼きにする!! 俺も!! とワイワイと活気のある感じでお客は賑わう。
『OK』
ああああは、これで生活するだけのお金は稼げる。現世の食べ物であるお好み焼きの材料のキャベツ……この世界ではキャベツはキャッブルと云う。小麦粉に紅生姜里芋……異世界人が多いので、名前が違えど、材料集めも依頼として出せば、大体集まる。料理のレシピも携帯要らず。
他の転生者も食事だけは、共通なので皆争わないでWin-Winな関係。アイテムの一つとして美味しい料理を提供してる。
そして、元々の異世界人も新たな味で笑顔になるのでそこは争う事はないだろう。
そんな争う事のない筈の横でフラグがやっぱり近くで起きている。
「私は、女神の加護を持ち。この世界を救う事になってしまった。だから、王子巻き込んだら不幸になる。悪役令嬢は幸せになったらダメ。元々はヒロインが王子と一緒になるの。ゲームのシナリオは変えられないの」
声が駄々漏れだなぁとある意味関わりたくないなぁと、お好み焼きの生地を混ぜながら、取り敢えず見なかった事にして笑っている。
悪役令嬢に転生してなんやかんや、世界を救う為はついでで、メインは恋した乙女が走ってる様子に呆れてる。
ああいうのは大概……。
「お嬢様!! 何故逃げるのですか。何か悩み事があるのでしょう」
「前の婚約破棄された王子の事も何とかしたじゃないですか。今回もお逃げにならなくても大丈夫ですよ」
「こんな時になんだが。私は君を愛してる。君しか居ないんだ。だから逃げないでくれ」
よくある光景。何組かこんな感じの乙女達を追いかける連中を横目に、ロマンチックさもなく、お好み焼きを焼く。香ばしく焼かれる生地に此方もお腹が空く。
自分はモブはモブだけど料理系ルートかなぁ? と考えながら、そっちの方が安全だよな。
この美味な料理は何なんだ!! と、騒がれてもよっぽどの事で酷いことはないだろうし、恐ろしく強い食材獲りなんてしたくもない。もしかしたら……食材は……。
首を横にブンブン振り。考えない考えない。と念押ししつつ。ソースを塗りながらじゅわぁと美味しそうな香りが漂う。仕上げの鰹ぶし、青のりをパラパラ。マヨネーズをかけて完成。
「美味しそう。いっただきまーす」
各々美味しそうに焼き立てお好み焼きたっぷり海鮮入りを、お客が食べながら。さっきの令嬢はハッピーエンドで堂々と王子と唇を重ねていた。ねちょねちょと国府町の場で口付けを見せつけて。抱きしめて。
リア充は、歌やダンスを一部が華やかさと共にハッピーエンドを祝うように踊っている。
当然、エンド「「楽しいストーリー」」の文章が浮かんでいた。
「海外とごっちゃだよね。異世界って」
「まあ、最初は時系列とかで戸惑ったけど何処の異世界も同じじゃない?」
「現世の食事と生活品が一緒なら。俺は、構わないけど? ただし、肌弱いから石鹸は合わないから。最初は困ってたなぁ。けど、まぁ。
この前、前世の知り合いに異世界で会ってよ。石鹸とかの会社で働いてた奴だったから、お前らに試作の石鹸いっぱい貰ったからやるよ」
出会った食事メンバーに石鹸を渡しながら、お客の者達は和気あいあいしていた。ああああも、勿論貰った。結構この商売はいいかもしれない。
掘り出し物もある。
数時間後…………、店仕舞いで森に帰っていくああああ。次は違う街に行こうかと考える。同じ場所に居座るのも悪くはないが、何せ自分は転生者。
何かの加護でも貰って魔王を倒す主人公にでもなったりしたら、絶対悲惨な事をされてしまう。
帰り道の森を走りながら声がする。
「んっ……はあっ……はぁ……ああああああああああっっ」
よく見れば男性が触手のような植物のツルに全身を絡まれながら、両手を上に上げられて吊るされて身動き出来ない状態を目撃した。
男性の身体の下半身一部の股に植物のツルにまさぐられ。植物が吸いつくように、王子の第二の息子のその先端穴に卵のような黒い物を植物は触手から注入して、どぼどぼ注ぎ込んでいた。
この異世界は何かしら悲劇的にエロ要素な悲劇が多い。
昼間にハッピーエンドを迎えたあの令嬢も、嬉しそうに楽しそうだったが、あの王子ってのは大体は、見た目綺麗で無能なのが多い。
その後の物語は大体書かれない。ので、書かれたとしても真っ先に戦争で死んだり、彼女を庇って守ったりして悲惨な目に合う。
「王子!!」
「おやおや、遅かったね。見ての通り王子様は植物の虜さ」
あるいは、彼女を助けるためのライバル的な魔女を倒すためにとかが考えられる。
嫌がるように身体をくねらせるが、男性は黒い卵の影響か、胸元の乳首から息子がにょきにょきと両方生えてその先っぽから植物のように黒い卵をどばどどどどと噴射していた。
「うわぁ……悪趣味。み、見なかったことにしよう」
ああああは、関わらない方がいい。もう、この森も、もう駄目だなと思った。自分が関わったところで、主人公が助けるし、もし、あのままの状態なら、フラグ未回収でバットエンドなのだろう。
けど、よそさまの人生には関わらない方がいい。
ラーメンに甘いチョコアイスを入れるぐらい駄目な事だろう。
森を馬で抜けながら、悪役令嬢の声がする。「私は貴方なんかに負けないわ。絶対王子助けてあげるわ!!」的な声。キラキラ光輝く眩しい光。けど、悲鳴な声に変わってる。
魔女の笑い声が高々と聞こえる。ザ・悪役のヴィラン的な感じの笑い方。
「ふっふっふっ。もう、女神の力を持たない小娘なんて眼中にないわ。二人仲良く私の可愛い植物ちゃんの虜になるがいい」
「っ……いやぁああああああああ」
植物のツルに捕まり、此方は胸元の乳首の先端に植物は吸い付き、衣類を破き乳首から黒い卵を注入されていた。
哀れな悪役令嬢の女性の身体にもにょきにょきと生えてきた息子。股にも王子よりも大きな物をぶらぶらぶらと下げて黒い卵を先っぽから放出していた。
「ふっふっ。ホントに哀れだねぇ。小娘……いや、もう小僧だな。ずっとこのまま森で二人仲良く暮らすと。ん? 植物ちゃん? なんだい? 褒めて欲しいのかい? お前は可愛い子だねぇ」
余裕満々に魔女の笑っている腕に植物のツルが絡み付く。可愛い使い魔の植物を撫でていたが、魔女の身体にも植物が絡み付く。異変に気づいた魔女だったが。
「やめっ、主人を襲うのかい!! やめっ、あっあああああああ」衣類を捲り、股を広げられて蜜な場にズボヌボズボと注入される黒い卵。
魔女にも現れるにょきにょきと生えてきた王子や令嬢と同じような息子。只、違うのは、舌から生み出された息子。舌が腫れたように膨れて黒い卵を唾液のように吐き出していた。魔女は息が出来ないで苦しそうに卵に溺れていた。
そして彼女達の横に。
隠しエンド。「「みんな一緒」」というテロップの文章が浮かんでいた。
魔女達の快楽の悲鳴が森にずっと解放されずに、
次の犠牲者が来るまで聞こえ続けるのだった。
最初のコメントを投稿しよう!