1314人が本棚に入れています
本棚に追加
/178ページ
1. at GYM
都内にあるプライベートトレーナーが経営するジムだった。
高見沢尚登とジェニファー・サンチェスは、その広い部屋で対峙していた。その様子を藤田陽葵はハラハラと見守っている、ジムのオーナーの村上も腕を組み、興味津々に見学していた。
「ジェニー、もう終わりか?」
尚登が笑顔で問いかける。
「No, I’m still going」
だがジェニーは大きく息を乱していた、汗すら滴り落ちる。同じだけの運動量のはずだが、尚登は全く涼しい顔だ。
「もう諦めろよ」
どう見ても疲労は濃い、まだ30分ほどしか経っていないがジェニーの体力はさほど残っていないようだ。
「I say I’m still going on」(まだやるって言ってるでしょ)
言って再度身構える、セオドア仕込みのMCMAPだ。海兵隊で開発された白兵戦のための近接格闘術で、戦闘訓練をした兵士やテロリストの制圧を目的としたものである。
「尚登くん、もう、そのへんにしといたら……」
最初のコメントを投稿しよう!