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ノーマルのプッシュアップより手足を置く位置を近づけ、高く上げた腰を落とす分上体も動かす、なかなかハードな腕立て伏せだ。
「アフタヌーンティーに行くなとは言いませんが、炭水化物は禁止」
「ほとんど食べるものなくなりますけど」
「つい先日はスイーツバイキングで全種類制覇してましたよ」
陽葵が笑顔で告げ口をした、村上は遠慮なくため息を吐く。
「別に高見沢くんもボディビルダーとか目指してるわけじゃないんでいいんだけど。今はまだ若さでごまかしが効くけど、5年後、10年後に後悔しますよ」
ほらしっかり、と背中を叩かれ、尚登はおとなしくヒンズープッシュアップを始める。その滑らかな動きに陽葵は見とれた、自分にはできない運動だと思う。
「陽葵、息は止めない」
言われてはっとした、無意識にやっていると動き出す時に息を止めがちなのだ。そういうとところ見ていて指導してくれるジェニーは本当にその道のプロなのだ。
「私も、ジェニーさんみたく強くなれるかなあ」
思わず呟けば、ジェニーはにこりと微笑んだ。
「なれる。首の絞めるならポイントさえ押さえればできる、ナオを練習台に教えてやる」
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