18. そして、未来へ

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「えらい物騒なことを、気安く言うなよ」 「あ、ごめん、えっと頚動脈を締めて失神させて」 「同じだろう!」 怒るが陽葵とジェニーで笑い出す。 「ど素人にやられたくないわ」 「人間誰しも最初は初心者」 「言うじゃねえか」 「えーだって落ちるとこまでやってみないと加減が判らないからやってみたい。あ、村上さんじゃだめですか?」 「おれも落ちる役はやりたくないよー」 村上が声を上げる、実際には失神するまでやらなくても、仕組みさえ覚えれば済む話だ。 「つかそれくらいなら俺が教えてやる、家でやろう」 「えー、じゃあ私がやられる側―?」 「いや、ツボはここだよってくらいで充分だろ──親指の付け根で耳の下あたりを押さえて」 村上を捕まえその背後を取ると、右手を村上の首筋に押し当てた。 「えっ、ちょっと、待……っ」 「やりませんよ、軽くやる分にはリンパ流れて気持ちいいですよ」 マッサージするように擦って笑顔で言うが、村上は憤慨する。 「元気だね、うん、じゃあ、プッシュアップ、20回」 尚登はええーと文句を言いながらもその体勢を取り、ヒンズープッシュアップを始める。 「親指の付け根を、耳の下に……」 陽葵は確認しながら自身の手を自分のその場所に押し当てる。 「あ、ほんとだ、気持ちいいかも」 顎の骨に沿って動かせば心地よかった。 「それは腕の力がある男のやりかた、ナオだからできる、真似するな」 きちんと締められれば早ければ数秒で失神するため、しっかり固定する必要はないが。
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