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大学生になったある日のこと。
僕は不意に森田君のことを思い出した。
僕は酒も飲めるようになり、彼女もできた。
だけど、森田君は十五歳のあの時のまま。
人生を終えたあの時のまま。
森田君は、酒の味を知ることもなければ、彼女と付き合うこともない。
僕の脳裏を、サッカーボールを蹴っている中学生の森田君の姿がよぎった。
しかし、それもまた、一時のことで、森田君のことは直ぐに僕の日常から遠ざかっていった。
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