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最初の印象なんて、覚えていない。
それくらい、何とも思っていなかった。
「浅木さん、お酒とか飲みます？」
転職したばかりの会社で孤立している私に対し、彼、八重樫 大翔はまるで何も気にしないという表情で声をかけてきた。
「ビールは苦手で……。缶チューハイとかなら、たまに」
「あー、分かる。俺もビールのおいしさってよく分からない。まぁ、付き合い上は飲むけどね」
ギョロリとした大きな目を自身の足元に移し、靴ひもを結び直しながら八重樫さんは話を続ける。
「あ、じゃあ今度社内でやるビールパーティーは行かない感じですか？」
「はい、多分」
行かないに決まっている。というか、行けないのだ。私はこれ以上、目立つことは許されない。
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