極道の推し活、始めました【完】

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その日はなかなか眠りにつくことが出来ず、貸していただいたスーツのジャケットを抱きしめて床についた。 ──かっこよかった あの人が何者で、あのお屋敷がどういう場所なのか知らないが…ただ単純にもう一度会いたいと思った。 このジャケットが私の手の中にあるうちは…もう一度だけ彼に会うことが許されているような気がして、、力強くジャケットを抱きしめる 推しの脱ぎたてホヤホヤのスーツのジャケットなんて、尊すぎない?ほんのり香る、レモン…いや、グレープフルーツ?とにかく柑橘系の爽やかな香りがシトラス好きの私の心を更に鷲掴みにする。 ──クリーニング、出さなきゃ…だよね、 不思議と、彼のスーツを抱きしめているとストンっと眠りにつくことができた。どんどん薄れていく意識の中、私に銃口を向ける推しの顔が浮かんで…幸せな気持ちのまま眠りについた。
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