極道の推し活、始めました【完】

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大学三年の夏休み─… 一人暮らしをしている木造二階建てのよく道端で目にする某建築会社の可愛らしい外観のアパートへ帰宅途中、電柱の下でフラフラと千鳥足で歩く人間が視界に入り…一瞬足を進めることを躊躇った。 大学のメンバーで飲み会…という名の合コンに参加した帰り。男性陣の見た目がチャラすぎて"今日はハズレだなぁ"なんて早々に出会いを諦め、食とお酒に走った私は…自分も酔っぱらいだという自覚があった。 なので…変に絡まれたりしたら面倒だし、最悪逃げ遅れて嫌なことをされたりしても…助けを呼ぶ程の気力が残っているのか危うい スマホを手に取り、画面をタップすると…ロック画面の壁紙画像に映る友人とのプリクラの画像が視界に入り…頬が緩んだ。 "英里(ひらり)紗弓(さゆみ)" なんて、平成初期のようなダサい落書きがされているプリ画を見て一人ニヤける。英里というのは私の名前だが…ヒラヒラヒラリとバカにされたり、ヒラリーとかなんとか、海外の人のようなあだ名を付けられることもしばしば。 画面の中で指ハートを作る親友、紗弓とは小学校からの仲で、今でもお互いの家を行き来するほどの仲良しっ、、 ─…って、今はそんなことどーでもいい!!
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