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「─…じんじろゔっ」
「あ?濁音ばっかで何言ってんのか分かんねぇよ、日本語話せねぇの?」
私が仁睦さんという神推しを見つけたアニバーサリーの日、もれなく私に手を出してきた低俗な人間─…新次郎。
奴がなぜ目の前に居るのか不明だが、喉が痛すぎるプラス寝起きで掠れた声しか出せないことをどうか察して頂けないだろうか?
……ん?いや、待て。私の記憶が正しければ確か火事に巻き込まれてっ、、
「─…ジャケットっ!!!」
勢いよく身体を起こした私に若干引き気味の新次郎を無視して、自分の置かれた状況を確かめようと身の回りをグルグルと見渡す。
そこは見慣れた自室ではなく、焼け焦げた火事現場でもなければ隣室の若菜さんの部屋でもなかった。
「──…ようこそ、辰弥会へ」
ん…?なんて言った?
新次郎の言葉に私が首を傾げた時、正面の襖が息を引くようにすぅっと静かに開かれ…そばで私を見て笑っていた新次郎が両膝をついてその上に拳を乗せ…ピンと姿勢を正して頭を下げる
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