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すると、会長サマの盛大な笑い声が部屋中に響き渡り…なぜウケたのかと疑問に思いつつも顔をあげることなくその場で待機していると─…
「キミ、面白いね。愛人にしちゃおうかな」
っと、恐ろしい言葉が聞こえてきたのでなんとお断りしようかと本気で考えた時、背後でガタン…っと物音がして何事かとさりげなく振り返ったが、、特に何も変わった様子はない。
「……冗談だよ。そろそろ本題に入ろうか。顔を上げてくれるかな?」
…笑えない冗談は辞めてくれ、会長殿。
恐る恐る顔を上げると、先程までの穏やかな雰囲気など存在しておらず…私のことを真っ直ぐ射抜くような目で見据える会長の姿があった。
あまりの雰囲気の違いに、ゴクリと唾を飲み込んだ時─…
「君、お兄さん…居る?」
飛び出したのは兄が居るかという質問で。
「……はい」
っと、正直に答えたところ、、
「長い間、会えてないの?」
なんて…知られているみたいだったので─…
「…はい」
嘘、偽りなく…兄にはもう会えることは無いという意味で”はい”と答えた。
「その兄というのは─…仁睦?」
「…………はい?」
「長い間、会えていない兄というのは…仁睦なのか?」
「いえ、仁睦さんは私の兄ではありません」
何だか勘違いされているようなので、人違いでもされているのかと…正直に”兄ではない”と答えた後すぐに…後悔した。
もしや、これが仁睦さんのいう”手は打ってある”という策だったのではないだろうか?っと気付いた時には既に遅かった。
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