僕は普通

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僕は普通

僕の部屋は二階にある。賃貸なのに二階建てで良いところだと思う。ちなみに両親の寝室はその隣。全く、やめてほしいったらない。壁が薄いせいか、時たま物音が聞こえるのだ。まあ、どんなことをしているのかも大体想像がつく。 風呂に入り、漫画を読んで時間をつぶしていると、父さんたちが上に上がってくる音が聞こえた。僕は急いでベッドにもぐりこむ。 きい、とドアが開いて、二人からのおやすみ、を聞いた。ああ、おやすみ。本当におやすみしたいと毎日思う。そして両親は寝室で月末の恒例行事を始めたようだ。壁が薄いのに子供の部屋の隣でそんなことするなよな、と毒づきながら僕はベッドからもぞもぞと抜け出す。 そーっと着替えて僕は窓から飛び降りた。 「いよっと。」 外にでると、夏も終わりに近いからかいくらか涼しく感じた。 僕は普通、だった。
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