渓谷学院に顔出し。

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変な先輩と出会ってしまった日から数日後。入学式があった。 その日は例の面倒くさい父とおじさん、以上。母は来ない。あれでも文科省に努めてるらしい。 「忠和、行くぞ。」 会場に入る。椅子のクッションのところが畳になっている奇妙な椅子に座った。自分のクラスは、松。上から順に桜、松、竹、梅。 スマホを取り出す。着信があった。あの、吉田先輩だ。 {入学式、始まった?} {まだです} {寮のこと聞いた?} {いいえ、知りません。} {そう、あとで迎えに行く。} {有難うございます。了解です。} 吉田先輩は一人称で変えているらしい。 俺もそうしよっかなあと思っていると学院長が入ってきて始まった。 「えー、入学者諸君、この度は渓谷院中等部に入学、おめでとう。 詳しいことは寮の先輩に聞くといい。以上。解散。」 えっ、嘘でしょ。こんなけ? まあいいや、長いよりはいい。そう思って、おじさんたちの方に最低限の荷物を取りに行った。 「頑張れよ。」 余計だ。爽やかに言うなバカ親父。 吉田先輩にメッセージを送った。 {終わりました。} {了解} すぐに来る先輩は変わってないなあと思ったりした。たぶん「俺」が思ってるだけなんだろうな、とも思った。
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