夢の鍵 おバカな妄想日和

2/17
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
 CTなどの一通りの検査の後、呑気に答え診察する医者も、暑さでダルそうに答える声だけは覚えているのに、夢に近づく鍵を無くしてしまった。昨日、酔っ払って帰った際、何処かに置いてきてしまったか。  明日になれば思い出すだろうか。それではダメだ。応募日は今日だ。  待て。冷静に考えろ。原稿用紙のありかはわかっている。大事な物だと思い、鍵付きの引き出しにしまい込んだ。確かに原稿用紙はあり、応募するための封書も書き揃えてある。今時珍しいかもしれないがデータではなく郵送で送らないといけない作品だ。  パソコンにはデータはある。だが、起動した瞬間だ。パスワードと聞かれるウインドウ画面。起動キーすらも覚えていない。先日調子に乗って、パスワードを変更したが、記録し忘れた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!