07. 露呈

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しばらく黙ったままだった本田にグイッと体を引き離された。 「……本田さん?」 本田は息を詰めて一度俯くと、目も合わせずにそばから離れていく。 「どこがマシなんだ……」 そう呟くのが聞こえて間もなく、本田は近くに無造作に置かれていたバッグに手を伸ばした。 「送れなくて申し訳ありませんが……すぐそばの通りにまだタクシーが走ってる時間なので拾ってください。来なければ電話で呼んで、必ずタクシーを使って」 そう言って、長財布から取り出した紙幣を押し付けるように手渡される。 「……え?」 「今すぐに帰って。こんな僕のそばにはいない方がいい……」 「……で、でも――」 「お願いですから帰ってください」 本田はそう言うと、フラフラと廊下を歩いてリビングへ入っていった。
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