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昼休み。
「想定内ですね」
昼飯を食いながら鈴木が言った。
香澄が睨みを効かせてるから、女子達は俺の元に直接は来ねー。
だが、視線は感じる。
おまけに男子達まで。
「千夜!テレビ観たぞ!」
「料理出来たんだな!スゲーよ!」
「俺も料理して、女にモテたいぜ!」
なんて、ほざきながら俺等3人の所に来るから、おちおち飯も食ってられねー。
「今、飯食ってるから」
俺がドスの有る声でそう言うと、男子達は苦笑いしつつ離れて行った。
「帰りも付き纏われるのかしら…」
どこか不安そうに、惣菜パンを食べながら香澄が本音を吐露した。
田中は親父の会合に付き合わなきゃならねーって言ってたからな。
車で来てもらうのは無理だろう。
こんな事なら暑かろーが、バイクで来れば良かったぜ。
だが、香澄一筋で守っていくって決めたんだ。
俺は…俺等は、いつも通り普通にしてりゃー良い。
「大丈夫だ、香澄。俺等は何も悪い事してねー。それに万が一の時は俺が守る」
「どちらかと言うと千夜くんの方が狙われてますが、時間が解決してくれるでしょう。ただ…」
鈴木は箸を止めると、物思いに浸った。
「鈴木くん?」
香澄が心配そうに鈴木を覗き込んだ。
鈴木は俺と香澄を交互に見ながら言った。
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