思いもかけずに

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何でも昼飯を食っている時にテレビを観てたら俺が天津飯を作っている様子が流れていたようだ。 「いや、その辺のことは、さっき山村から電話がかかってきたから知ってる。だが、編集カットされると思ったから観てねーな」 『だったら明日から学校でしょう?録画したDVDを持って行くから貸すわ』 「それは良いけどよ。香澄、何か観たくて録画したんじゃねーのか?」 『心配しないで。受験が終わったら、まとめて観ようと思っていた昼ドラの前の番組だから。それまでに返してくれれば良いわ』 昼ドラ…香澄なら月9とか観てんのかと思っていたから意外だ。 「サンキュー。受験勉強、頑張れよ。じゃあ又、明日な」 『千夜くんもケーキ作り頑張ってね』 そう言うと香澄は電話を切った。 ホントは2人きりで観たいところだが、香澄の受験勉強の邪魔は出来ねー。 俺もケーキ作りが待っている。 だが、結局この日の夕飯後も親父を納得させるケーキを作ることは出来なかった。 夜。 そろそろ鈴木からグループ通話が掛かってくる時間だ。 そう思って寝巻き姿でベッドに横になっていると案の定、携帯が鳴った。 表示は勿論『鈴木』になっている。 俺は横になったまま通話ボタンを押した。 「もしもし」
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