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『はい、もしもし。こんばんは、グループ通話のお時間です』
『こんばんはー!』
鈴木には自分が携帯番号さえ知ってればグループ通話ができるらしい。
香澄とも話してーところだが、鈴木が香澄の連絡先を知るのが、なんか嫌だった。
もう吹っ切れているようだが、鈴木は香澄の事を好きだった時期も有るから余計そう思っちまうのかもしれねー。
やれやれ…吹っ切れてねーのは俺の方だな。
「よお」
『千夜くん、山村先輩から聞きましたよ。何でもテレビに出て料理されたとか』
『凄いよねー!僕、専門学校でDVD再生して僕の後輩だって自慢しちゃお!』
「よせ、山村」
『そうですね。千夜くんの言う通りだと思います』
いつも山村には甘い鈴木が珍しく反対した。
『えー!どうして?どうしてぇ?!』
「るっせーんだよ、山村。ちと声のトーン落とせ」
『もう遅いかもしれませんが、千夜くんがテレビに出た事は僕達と諸橋さんだけの話題にした方が良いでしょうね…』
『じゃあ、今なら良いんだ!』
山村は、のほほんと、そう言うが、俺は鈴木の声が硬いのが引っ掛かった。
「鈴木?」
『千夜くん…これからが大変ですよ。僕達みたいに喜んでる人達ばかりじゃないと言う事です』
『どういう事?』
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