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ビクビクっと体が痙攣したかと思うと、口の中で彼の精が放たれそれを私はゆっくり嚥下した。すると天馬は慌てて『飲まなくても』と真っ赤になっていた。
「……ロジェのも、しようか?」
ゆっくりと私のものに手を触れてくる。彼の手が触れただけですでにはちきれそうなのに、さらに上を向き膨張していく。天馬の申し出はありがたいが、あの小さな口に入れるのはつらそうで申し訳ない気がして首を振る。ましてや挿入なんてもってのほかだ。
「天馬、この先は……君は知らないかもだけど準備が必要なんだ。だから今日は……」
「準備はしてきたよ。それに、必要なものだってカバンの中にある」
天馬はじっと私を見ていた。今日は最後までやるんだからな、と顔に書いてある。
「……いつの間に」
「ロジェと離れてる間に色々調べたんだ。男同士のやり方とか」
体を起こし、ベッドから降りるとサイドテーブルの横に置いてあったカバンを開け、中からゴムとローションが出てきた。私がポカンとしていると、天馬はいまさらのようにおずおずと上目遣いに私を見た。
「……呆れた?」
「そんなわけないよ、天馬が積極的で……嬉しい」
それからはもう私も天馬も、欲望のままにお互いを貪り合った。指で拡張しているときも、挿入しているときも天馬は涙を浮かべていた。やはり痛いのだろうかと思ったがもう止められず、せめてもと下にいる天馬の体を抱きしめる。すると天馬も抱きついて、甘く深いキスをしながらわたしを受け入れてくれていた。
「あっ、んんっ、は……っ、ロジェ……っ」
甘い声が、さらに甘美になっていく。二人の繋がっている場所は熱くてどうにかなってしまいそうだ。
「気持ちいいね、天馬」
余裕ぶったことをいいながらも、私自身はもう余裕はなかった。動きを速めながら頂点を目指す。
「うん……気持ち、いい……!ああっ、も、だめ……イッちゃうっ」
「んっ…!」
ギュッと体を掴み眉を顰め、天馬は私を求めた。もう限界だとさらに奥に腰をすすめた瞬間、ビクンと体を痙攣させ彼が果て、それと同時に私もまた目の前がスパークして彼の中に愛をたっぷりと注いだ。
一息ついた後、シャワーを浴びてキッチンに移動しコーヒーを入れ、ソファで背伸びをしている天馬に差し出した。ありがとうと言いながら受け取り早速口に含んでいた。
「ふふっ、恋人みたいだ」
「恋人だろう?」
「そうだけど、やっぱり照れるね。でも来週からは仕事だからオフィスでにやけないようにしないと」
甘い時間はおしまい、というように天馬がそう言うので、私はコーヒーを置き隣に座る天馬の膝に頭を乗せた。
「今日は帰るの?」
時計を見ると二十二時を回っていた。帰れない時間ではないのだが、ようやく二人になれた初日だ。もっとゆっくりしたいし、二人で朝を迎えたい。上目遣いに天馬を見つめると、彼はプッと吹き出した。
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