桜舞う

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「好きだ。俺と付き合ってください」 少し茜が混ざった柔らかい西日が教室中を染めていく。 二人きりの空間は驚くほど静かで今さっき告げられた言葉が教室にも、私の頭にも響いた。 「晴都(はると)…?」 さらさらの茶髪マッシュに175センチくらいの身長。 無邪気に笑うそんな姿に惹かれ、1年前から想いを寄せていた。 片想い中の彼から、そんなことを告げられるとは想像もしておらず、ただ呆然と私は立ち尽くしていた。 「麗那(れいな)がどう想ってるか、教えてほしい」 息を呑むほど整った顔にそう迫られ、反射的に顔を逸らしてしまう。 私もずっと、好きだった。なのに、どうして今この場で返事を返せないのだろう。あんなにも好きで、彼の隣に居たいと願っていた日々は何処へ行ってしまったんだろうと心の奥で疑問符が浮かぶ。 「いったん、ゆっくり考えさせてほしい…」 そしてやっと言えたのがその一言だった。 その言葉を聞くと彼はぎゅっ、と抱きしめこんな言葉をこぼした。 「待ってる、その日まで」
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