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バイト初日
駅前に建てられた大学病院に併設されたカフェ。
そこに訪れる人は、多種多様。患者様から、お医者様、それから大学生。それから…
「雪ちゃん、こんにちは。今日もかわいいね」
「こんにちは。ご注文どうぞ」
「じゃ、雪ちゃんで」
「アイスカフェラテ、レギュラーお願いしまーす」
軽口ばかり叩くチャラさ全開の研修医。
「雪ちゃんはいつになったら付き合ってくれるの?」
「七嶋先生はいつになったらいなくなるんですか?」
彼、七嶋理人はこの大学病院の研修医。一日に1回は必ず、カフェにカフェラテやらコーヒーやらを買いにくる。
私、海村雪は夏休み限定で、この大学病院に併設されたカフェでバイトをしている。彼には、バイトの初日に接客をした時に目をつけられたらしい。
いつも忙しない院内の様子を知っていたので、親切心から労いの言葉をかけた。しかし、それがいけなかったらしい。
「好きになっちゃった。俺と付き合お?」
出会って2日目。告白をされた。しかも、レジで。
当然、バイト先の店長から同僚から、病院内関係者までみんな見ている始末。
その後、ものすごく噂になったのは言うまでもない。
じりじりとした日差しが照りつける7月の終わり。
アルバイト2日目にして、私ののんびりバイト生活は、構築する前に壊された。
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