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「休日の七瀬も良いね」
何が、と返そうと思ったけれど面倒臭くなって止める。
「そのワンピース、似合ってる」
スラスラと流れるように発せられる褒め言葉は、浅井の営業としての資質なのかチャラ男としてのそれなのか分からないけれど、私の心をいちいち波立てた。いつもと同じようにパンツルックで来ても良かったんだけど、平日と同じ格好で職場近くに来るのは仕事の延長みたいで嫌だったから、敢えて正反対の格好をした。それだけの理由だ。浅井と会うためにお洒落した、とかそんなことは一ミリもない。
私は肩に落ちた髪を耳に掛けた。
(浅井はいつも通り……)
薄くペイズリー柄の入った濃グレーのシャツに黒いパンツ。胸元からはシルバーのチェーンが覗いている。
(いつもよりもチャラ度増しかしら)
私の好きなタイプからはどんどん離れていっている。いや、近付いて貰わなくても良いんだけど、だったらなんで来ちゃったんだろう、私。
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