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「今晩空いてる? 美味しそうなイタリアンの店を見つけたんだけど」
「あら、残念。今日は予定があるの」
「じゃあ週末で。奢るから」
浅井はこの店の一押しメニューである大きなハンバーガーの載ったトレイを私の席の前に置いて、当たり前のように腰掛けた。
「奢らなくても良いから別の子と行けば良いじゃない。あとそこに座って良いなんて一言も言ってないんだけど」
レタスを突き刺したフォークを正面の顔に向ける。するとあーんと口を開けるから慌てて下ろした。
「何すんのよっ」
「あれ? くれるんじゃないの? 俺てっきり餌付けされてんのかと」
「そんな訳ないでしょ!」
何だ違うのか、と笑いながらお手拭きの入った袋を開ける。私の反論なんて無視して、ここに腰を落ち着けることにしたようだ。
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