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――翌日。午後十三時四十二分。SRM日本支部。 ファイルを片手に入り口まで迎えに来ていた七海と共にエレベーターに乗ったパンツスーツ姿の陽南は上へと向かっていた。数階分上ったエレベーターから降り七海についていくと、ドアから既に身を引き締める雰囲気を醸し出す部屋へと案内された。 そしてそのドア前で立ち止まることなく、ノックすらせずに開いた七海に続く陽南。そこは高級感溢れるソファやテーブルが置かれている応接室だった。そのソファの一つに知真は腰掛けており開いたドアの音に顔だけを向ける。 「来たか。とりあえず座ってくれ」 言葉と共にテーブルを挟んだソファを手で指す。陽南はその言葉に従い「失礼します」と言いながら座った。一緒に部屋に入って来た七海は知真の隣へ。 「七海君。アレをは持ってきてくれたか?」 「はい。どうぞ」 七海は手に持っていたファイルから紙を一枚取り出すと知真に手渡した。その紙を一度確認するとテーブルを滑らせ陽南に差し出す。 「君は特殊捜査官として刑事部第一課に配属される。これはその契約書だ」 知真の説明を聞きながら陽南は契約書を手に取り目を通す。そこに書かれていたのは守秘義務や仕事の危険性など。 「止めるならここが最後だ」 そう言いながら知真は黒を基調としたボールペンを差し出していた。契約書から視線を上げた陽南は知真の目を一度見るとボールペンを受け取り、迷うことなくサインをした。そしてボールペンの乗った契約書を知真の方に向け滑らせながら返す。 「ちゃんと考えて決めたことですので」 「そうか」 そして知真もボールペンに手を伸ばし責任者としてのサインを書くとその契約書を七海へ。
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