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「では、雨夜陽南。SRM日本支部刑事第一課へようこそ」 座ったまま知真の手が差し出されそれを陽南も握り返す。 「これからよろしくお願いします」 二人の手が離れると知真は横に置いてあったIDとバッジ、拳銃を陽南に差し出した。 「言うまでもないがこれは大切に管理してくれ」 「はい」 その後に小さなアタッシュケースをテーブルに乗せた。 「我々の刑事第一課では基本的に二人一組のコンビを組んで捜査にあたっているのだが、君はこれからアレクシス・ブラッドとそのコンビを組むことになる。だが君を指名したとはいえ相手は重罪犯。そのまま野放しに捜査協力させるわけにはいかない。そこで奴と捜査に出る際、君らにはこれを身に付けてもらうことになった」 知真が陽南の方へ向けたアタッシュケースを開くと中には大きさの違う輪っか状の機械が二つ入っていた。一つはブレスレット程の大きさでもう一つは首輪程の大きさだったがデザイン的には丸い機械が付いたチョーカー。 「これはECEと言って、簡単に説明すればアレクシス・ブラッドの暴走を止める機能を持っている。アレクシスの首に付けるのが通称ECC、君が腕に付けるのがECBだ。詳細はこれに入れておいた」 次に知真が差し出したのはスマホ。 「SRM日本支部で支給されているスマホだ。これに刑事第一課全員の連絡先と各課への連絡先が登録されている」 陽南は取り敢えずスマホを受け取る。 「そのスマホはSRMの特別製で君か課内の人間でないとロックを解除できないようになっている。つまり課内の人間が持つ物なら君も使用できるというわけだ。それと、GPS機能もあるがそれは非常事態にしか使用しない決まりになっている。そこは安心してくれて大丈夫だ。それに加え非常事態時の連絡手段の役割も果たす故、出来る限り常時持っていてもらいたい」 「分かりました。これも私が常に持っていた方がいいんですか?」 スマホを内ポケットにしまった陽南はアタッシュケースを指差す。 「いや、君のデスクにこれ専用の金庫を置いてもらおうと思っている。普段はそこに仕舞ってもらい出動時に取り出してもらう予定だ」 「了解です」 「ではとりあえずは以上だ。何か聞きたいことがあれば……」 「いや、支部長。もうそろそろ次の予定がありますね」 そんな知真の言葉を隣の七海が遮った。
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