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ご主人様が建物の中に入っていった後、元々曇っていた空が、一気に暗くなり、雨が降ってきた。その降り方は、ぼくが普段、ご主人様から浴びせられているシャワーよりもはるかに強烈だった。
これだけならまだいい。暑かったから、むしろ気持ちいいくらいだった。
問題は雷だ。
稲妻が縦横無尽に走り、光りまくる空。鳴り止まない雷鳴。空から地面に向かって稲妻が走り、爆音が聞こえてくることも少なくなかった。
ぼくは雷が大の苦手だ。
あまりにも激しい雷に恐怖をおぼえた。
パニックになりながらも、暴れている最中に首輪が外れたことに気付いたぼくは、雷から逃れようとひたすら走った。
雨が止み、雷鳴が聞こえなくなったところで気が付くと、さっきの住宅街にいた。
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